皆さま、はじめまして。

このたび新たにベンチャー企業やスタートアップ企業を含め、中小企業のみなさまに、広報PR（Public Relations）のノウハウをお届けするブログがスタートすることとなりました。

このブログでは、これから広報をスタートしたい、広報の経験はないけれど会社のためにPRを強化したい、と考えている中小企業の広報担当者や経営者の方々に、実務に役立つノウハウや情報をわかりやすくご紹介したいと考えています。

「広報の基本に関する書籍を数冊読んだけれど、何から手をつけたらよいかわからない」「大手企業と違って活動予算も少なく、重点的に取り組むべきこともわからない」とお悩みを抱えている人も多いことと思います。

中小企業の広報部門は、「ひとり広報」や「兼任広報」の担当者も多く、未経験から始める人もいます。それでも、広報はやはり重要だと気がついている方々を応援するため、お役に立つ情報をお伝えしていきます。

初回は、中小企業にとって広報・PRがどのように重要なのかを解説します。

■　中小企業にとって広報・PRとは何か？

大企業では当たりまえでも、そもそも中小企業にとって広報は必要なのか？優先度は低いのではないか？などの疑問が浮かぶこともあるでしょう。

ここで、広報・PR（Public Relations）とは何かを理解し、どのような意義があるのについて、３つのポイントでご紹介します。

(1)　ステークホルダー（利害関係者）や社会全体に対して自社の価値をわかりやすく情報提供し、相互の関係性を構築・維持する

広報・PRとは、企業などの組織がステークホルダーに対し情報を発信し、双方向のコミュニケーションにより良好な関係構築を維持するための持続的な活動になります。

企業や組織を取り巻くステークホルダーには、消費者、顧客、取引先、従業員、株主・投資家、行政や金融機関、地域住民、NPO、官庁、就職希望者などが含まれ、多岐にわたります。ひとことでマルチステークホルダーとも言います。

広報・PR活動は、このようなさまざまなステークホルダーと情報という経営資源を共有し、相互の信頼関係を構築するためのコミュニケーション活動なのです。

(2)　広報力で求心力もUPする

広報のなかでも特に企業広報・コーポレートコミュニケーションは、経営戦略の一環として情報を担うマネジメント活動といえます。その企業広報活動では、企業理念や企業戦略にもとづいた一貫性のあるコミュニケーション活動が重要で、しかも持続的な活動が求められるのです。

企業や組織の広報力が向上すると、経営戦略や事業活動に関連する情報の発信量と発信機会が増え、対外だけでなく社内においても、経営トップのビジョンや仕事内容の情報を共有する機会が増えることにつながります。

そして、会社内の情報共有や反応が拡大していくと、社内の求心力もアップするのです。

さらに、情報が集まるようになれば、ヒト・モノ・カネなどの経営資源も企業に集まるようになってきます。社内・社外の全社的なコミュニケーション活動を通じて情報が循環し、多くの経営資源が集まるメリットもあるのです。

(3)　社会的価値向上でブランディングにつなげる

「この会社は◯◯という分野でオンリーワンだ」「◯◯といえばこの企業だ」と言われるようになることが企業広報のゴールの一つといっても過言ではありません。しかも、この◯◯の部分には企業の強みを伝える表現を含むことが前提です。

また、昨今では企業や組織の社会的な存在意義や役割に対する関心は高まっています。そのため、広報・PRの意義として、企業や組織の社会的価値をステークホルダーに正しく理解され、共感していただくための活動であるという側面が強まっています。これは、まさに企業の応援団を増やしていくコーポレートブランディングの活動に通じるものなのです。

自社が知られるようになり、理解が深まり、信頼され、ファンになってもらうこと。広報・PRは中小企業にも欠かせない活動だと理解できるのではないでしょうか。

■東京都中小企業診断士協会城北支部とは？

東京都内の台東区、荒川区、北区、板橋区、練馬区を主体に活動する中小企業診断士により構成された組織が城北支部です。2020年に創立60周年を迎えた城北支部では、所属する中小企業診断士が中小企業の皆さまの経営課題に真摯に向き合い、経営上のあらゆるニーズと期待にこたえる専門家集団として、今後もさまざま経営支援を推進してまいります。

東京都中小企業診断士協会城北支部　広報部