はじめての広報 広報PRノウハウ

新人広報担当者のためのDM活用のすすめ~(1)DMの魅力

広報のお仕事は、企業の活動をステークホルダーの皆さんや、今後ステークホルダーになる可能性のある方々に自社の取り組みを知ってもらい、理解してもらうこと、さらにはファンになってもらうことが重要だと思います。
広報という“広く情報を発信する活動”に加えて、特に情報をお伝えしたい方に、お届けしたい情報を、正確にお伝えすることができたら、広報活動がさらに魅力的で効果的なものになるのではないでしょうか。

誰もが受け取ったことがあり、とても身近な販促ツールであるダイレクトメール(DM)は、その効果的な方法を学ぶのに最適なツールです。
DMという古くからある販促ツールを通じて、広報としてメッセージを伝えるという行為の本質的なものや、大切なものを振り返り、皆さんの活動に何らかの気付きを与えることができればと思っています。
DMという手法が、広報活動の目的達成にどのように役立つかを一緒に探っていきましょう。

成功事例紹介
まずはDMという身近にある販促ツールの素晴らしさをお伝えしたく、ひとつの事例をご紹介させていただきます。

事例: 第33回全日本DM大賞で銀賞を受賞した「桜咲くクリスマスDM」
ご紹介するDM活用の事例は、学習院大学が受験生向けに送った受験生を励ますクリスマスDMです。

出典: フュージョン株式会社ホームページ 全日本DM大賞2017年銀賞 受験生の心を掴み、SNSで話題を呼んだ「桜咲くクリスマスDM」

ご紹介する「桜咲くクリスマスDM」は、ポストカード形式でクリスマスカードの形状をしており、受験生に向けて送られました。
カードを開くと、クリスマスツリーが桜の木に変わるデザインが施されています。
感情に訴えるメッセージと視覚的なデザインが高評価を得て、志願者数の増加という目的を達成しました。

この事例では、受験生の不安を和らげるための温かいメッセージと、桜の花びらが舞う美しいデザインが特徴で、具体的には、DMには「あなたの努力は必ず実を結ぶ」という励ましの言葉とともに、桜の花びらが舞うイラストが描かれています。
このデザインは、受験生に春の訪れと新しい始まりを連想させ、ポジティブな気持ちを引き出す効果があり、DMを受け取った受験生たちがSNSでその感動をシェアしたことで、さらに多くの人々に広まりました。

このDMは、ただの広告ではなく、受験生一人ひとりの心に寄り添うメッセージを届けるものです。
受験生たちは、厳しい受験勉強の中で不安やプレッシャーを感じている時期に、このDMを受け取ります。
桜の花びらが舞うデザインは、春の訪れと新しい始まりを象徴し、受験生たちに希望と勇気を与えました。
さらに、このDMには、学習院大学の教授や在校生からの応援メッセージも添えられていました。
これにより、受験生たちは自分が一人ではないと感じ、大学全体が自分を応援してくれているという安心感を得ることができました。

このような温かいメッセージと美しいデザインが融合したDMは、受験生たちの心に深く響き、多くの感動を呼び起こしました。
受験生たちは、このDMを受け取ったことで、学習院大学への志願を決意するきっかけとなりました。
実際に、このDMを受け取った多くの受験生が、SNSでその感動をシェアし、「こんなに心温まるDMをもらったのは初めて」「この大学に行きたいと思った」といったコメントが多数寄せられました。
このように、DMは単なる広告手段ではなく、受け手の心に深く響くメッセージを届けることができるのです。

DMの魅力
DMの魅力について、いくつかの要素に分けてご紹介します。

  • 直接的なコミュニケーション
    DMは、受け手に直接メッセージを届けることができ、個別の関心やニーズに応じたコミュニケーションが可能です。
    例えば、特定の商品やサービスに興味を持つ顧客に対して、カスタマイズされた情報を提供することで、より深い関係を築くことができます。
  • パーソナライズの可能性
    個別化されたメッセージで受け手の関心を引くことができ、より効果的なアプローチが可能です。
    例えば、顧客のお名前をデザインに組み入れることや、過去の購入履歴に基づいた提案を行うことで、受け手にとって価値のある情報を提供することができます。
  • 高い開封率
    他のデジタルメディアと比較して、DMは高い開封率を誇ります。
    特に紙媒体のDMは、物理的な存在感があるため、受け手の注意を引きやすい特徴があります。
    例えば、特別なデザインや質感のある封筒を使用することで、受け手に興味を持たせることができます。
  • 多様な形式
    紙媒体、電子メール、デジタルDMなど、多様な形式が利用可能で、目的やターゲットに応じた最適な手法を選ぶことができます。
    例えば、若い世代にはデジタルDMを、年配の世代には紙媒体のDMを送ることで、それぞれのターゲットに最適な方法でアプローチすることができます。

このように、DMは直接的なコミュニケーション手段として非常に有効であり、パーソナライズや多様な形式を活用することで、受け手に強い印象を与えることができます。
次回は、DMを活用するメリットについて詳しく見ていきましょう。

東京都中小企業診断士協会城北支部
畠中竜吾

 

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